噛む力（噛み合わせ）と運動効果って関係あるの？歯とスポーツパフォーマンス向上の秘密を解説します！

本記事ではキックボクシングをはじめ、スポーツをする際に噛む力（噛み合わせ）がどのように働いて、どのような効果をもたらしてくれているか紹介していきます。同じ動作、同じ攻撃、同じ防御をしていても歯（噛む力）や噛み合わせによって全く異なる結果を生みます。ぜひこれからのトレーニングの参考にして下さいね。

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歯（嚙み合わせ）と運動の重要な関係

「噛むこと」と運動機能

身体バランスはスポーツにおいて重要な要素の１つであります。少しでも軽く噛んだ状態と口を開けた状態の身体バランスに違いがあるかの実験では、明らかに噛んだ方が身体バランスが安定することがわかっています。また、噛み合わせがあっているか、ズレているかでも実験したところ、ズレていると身体バランスが崩れることがわかっています。噛み合わせの良い人は左右同じような力発揮できるのに対し、噛み合わせの悪い人は力発揮に左右差があるとされています。

スポーツパフォーマンスにおける「良い歯」

スポーツ（格闘技）における良い歯とは、「しっかりと噛める」歯です。上下の歯の接する面積が小さかったり、しっかり噛み合っていないと強い力を発揮できません。歯は噛むとミクロン単位で沈み込みます。この沈み込みによって脳神経である三叉神経に圧がかかり脳に情報が伝わります。脳への情報の興奮度が高い＝他の部分にも拡散していき骨格筋に関与する細胞に伝わり細胞活動を高める。

歯と姿勢の関係性

姿勢というものは普段からの意識も大事ですが、実は噛み合わせや歯並びが悪いと姿勢お悪くなります。左右の噛み合わせが悪いと自然と体の重心をずらしてバランスを取ろうとする結果、姿勢が悪くなってしまいます。当然ですが身体のバランスが悪いと、フォームが不安定になり運動パフォーマンスが下がる要因になります。身体のバランスが歪んだまま運動（スポーツ）を続けていると怪我の原因にもなります。

歯と力の関係性

キックボクシングを含む格闘技で、パンチやキックを最大限の力で相手に当てるときは歯を食いしばると思います。しかし、歯並びや噛み合わせが悪く顎の位置がずれていると、うまく力が伝わらず本来の力を発揮することができません。しっかりと適切な顎の位置になるように歯並びや噛み合わせを整えたり、マウスピースで顎の位置を安定させると上手く力が発揮できるようになります。

歯の嚙み合わせにかかる力

食べるときにかかる力

普段の食事（咀嚼時）の時は食べるものによって異なりますが、例えば、せんべいでは、平均８．５ｋｇ、するめで１２．４ｋｇ、カステラで７．０ｋｇ、平均１０ｋｇ前後と報告されています。

運動時にかかる力

格闘技やスポーツによって発生する最大の噛みあわせから受ける力は、前歯で１０～２５ｋｇ、犬歯で１４～３５ｋｇ、小臼歯で２０～４０ｋｇ、大臼歯（奥歯）で４０～９０ｋｇという報告があります。スポーツの種類によって歯にかかる力の差がありますが、オリンピックなどの重量競技などは１００ｋｇ以上が瞬間にかかる事が報告されています。

競技ごとに異なる噛む力

噛むことは筋力の発揮に有効に働きます。また、噛みしめると体軸を安定させることに有効です。短距離走などの身体を素早く動かす場合などは力いっぱいに常に噛むのでなく、噛むタイミングが重要になります。短距離走などはスタートから数メートルはしっかりと噛んで、後半は口の周りの力を緩めて走っています。噛むことでスタート時の姿勢を安定させる目的としっかりとスピードに乗るために地面をより強く蹴るためです。後半は身体に余計な力が入らないよう噛む力を弱めリラックス状態をつくっていきます。

スポーツパフォーマンス向上と嚙み合わせ

筋力が4～6%アップ

近年はプロスポーツ選手の協力により噛む力に関する研究が進んで、噛む力とスポーツとの密接な関係が明らかになってきました。噛むことで大脳にある咀嚼運動野（そしゃくうんどうや）を活性化し、全身の筋力アップにつながることが分かってきたのです。一説には、歯を噛みしめると筋力が4～6%もアップすると言われています。キックボクシングを含むほとんどの競技で筋力アップがパフォーマンス向上につながるため、噛む力は非常に注目されています。

「競技別」噛む力の重要なタイミング

キックボクシングを含む打撃のある格闘技の場合は、パンチやキックなど攻撃を受ける衝撃時にグッと噛むことで脳震盪などの予防効果があると言われています。しっかり噛みしめることで首の筋肉が固定され、頭の揺れをある程度防ぐことができるためと考えられています。野球で噛む力が活きるのはバッターがバットにボールを当てる瞬間です。サッカーの場合はシュート時にボールを蹴るタイミング、バレーではアタックやサーブ時など強い動作をする際にしっかりと噛んで体のバランスを安定させてより高い瞬発力を発揮します。

「噛み合わせ」が非常に重要

瞬発力を最大に有効活用したりケガ防止など。しっかり噛むことで得られるメリットは様々あります。そのためスポーツ界ではフィジカルトレーニングに加えて、咬合力（こうごうりょく）トレーニングの必要性が注目されています。また、噛む力を高めるには、大前提として正しい噛み合わせが欠かせません。噛み合わせを維持するには日々のオーラルケアや、ケガを防止するマウスガードやフェイスガードの使用が有効です。

噛み合わせが悪くなる原因

虫歯

痛みが出るため、虫歯になった歯を避けて噛むようになります。繰り返し同じ歯で噛むため咀嚼バランスが悪くなって噛み合わせも悪くなってしまいます。噛み合わせが悪くなると顎を動かしにくくなり、身体のバランスが不安定な状態になります。その状態が続くと力を発揮しにくく、運動（スポーツ）をする上でも悪い影響をきたしてしまいます。

長期習慣による影響

幼いころからの習慣的に同じスポーツを長期間行っている人。スポーツ競技によっては左右のどちらかに負担がかかることで顎がずれ、噛み合わせに影響が出る場合があります。テニスやサッカー、野球など。常に同じ腕や足で行うスポーツには注意が必要です。練習後には反対の腕や足を意識的に動かしてバランスを保つように意識していきましょう。

まとめ

日常生活での食事などの際、当たり前のように行っている「噛む」こと。食べ物の消化促進や顎の発達といった健康面が語られることが多いですが、近年は噛むこと（噛み合わせ）はスポーツ（格闘技）にもたくさんのよい効果を発揮することがわかってきました。一般的に「スポーツ歯学」と呼ばれていますが、キックボクシングをはじめ格闘技はもちろん、野球やサッカーなどインパクトの瞬間には効果的に力を込める（発揮する）ために歯（噛む力）が大切なことが分かりますね。

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