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BLOG リフィナスブログ

2024.03.13 リフィナス京都河原町

村上春樹から読み解く基礎体力、継続力の重要性



みなさんご機嫌いかがでしょうか。
河原町店の瀧川です。
今月が最後の出勤ですので、私が筆を取らせていただきます。

今回は私が愛してやまない村上春樹(以下村上氏と称する)について書きます。
皆さんご存じの通り、村上氏は国内外で高い評価を誇る、現代日本文学界を代表する人物です。

 

村上春樹と私の出会い

私が村上氏に出会ったのは高校1年生であったと記憶しております。母親が図書館から借りてきた「風の歌を聴け」を手に取りました。
彼の文章の醸し出す力の抜けた雰囲気、どこか喪失感を感じさせるもの悲しさに瞬く間に引き込まれました。そして彼の文章は水のように滞りなく私の頭に入ってきました。
高校生という年頃は厭世的で悲観的な存在に心惹かれるものですよね。
それからは村上氏の作品をあっという間に読みつくしました。授業中、隙さえあれば先生の目を盗み、机の下で読書に耽りました。
寝床についてから村上氏の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を一晩にして読破したこともありました。
高校生活で最も読んだのは間違いなく村上氏の作品でした。彼の長編小説は読みつくし、短編小説、エッセイにまで手を出しました。

図書館で未読の村上作品を血眼で探す私の姿はまるで冬眠前のヒグマのようであったと思います。

そんな村上春樹大好き高校生であった私は、今も村上春樹大好き大学生であります。
大学4年生の私はモラトリアム期間終了を目前に、狂ったように旅に出ています。
私は旅に出る前に本を持っていき、旅先でそれを読むことを一つの習慣にしています。
つい2日前、ラオスから帰ってきた私であります。
ラオスに旅立つ前、まだ読んでいない村上作品をメルカリで発見いたしました。
それは「走ることについて語るときに僕の語ること」という本であります。

その本について今日は紹介していきます。

皆さんにもぜひ村上春樹作品の魅力を感じていただきたいので、以下、入門におすすめの作品を紹介します。

村上春樹入門におすすめの作品
『風の歌を聴け』、『1973年のピンボール』、『羊をめぐる冒険』、『ダンス・ダンス・ダンス』、『ノルウェイの森』

 

あらすじ

1983年のアテネ-マラトン間での初マラソンの回想、2005年度ニューヨークシティマラソンの準備期間などの想いをつづる。そして自身の小説家としてのキャリアが、いかに「走ること」と連関していたかを述べる。
小説を書くきっかけとなった神宮球場でのデーゲーム、群像新人賞受賞、ジャズ喫茶の経営と小説の執筆を振り返りつつ、小説家の資質に必要なのはまず才能としながらも、集中力を持続させるための体力が不可欠だと考える。そのために、自身の孤独を好む性格にフィットし、特に場所を選ばない長距離走を選んだ。そして村上は「走ること」にさまざまな思いを抱えながらも、それを四半世紀ほど一貫して続けてきた。
作家=ランナーとしての村上春樹の側面が垣間見られる作品である。

 

村上春樹が示す基礎体力の重要性

村上氏は小説家にとって最も重要な素質は文学的才能であり、才能の次に集中力と持続力が必要であるといいます。
このような能力(集中力と持続力)はトレーニング(ランニング)によって後天的に獲得し、向上させていくことができます。
日々走ることによって、筋肉を強化し、ランナーとしての体型を作りあげていくこと。つまり、「刺激し、持続する」。この作業の繰り返しによって集中力と持続力を獲得し、向上させることができるのです。
以上の能力に加え、小説を書き続けていくには「基礎体力」が重要であります。
若い時に優れた美しい、力のある作品を書いていた作家が、ある年齢を迎えて、疲弊の色を濃くしていくことがあります。「文学やつれ」という言葉がぴったりくるような、独特なくたびれ方をします。

その代表が太宰や芥川、そして川端であったと私は思います。彼らの体力が自らの扱う毒素のようなものに打ち勝てなくなったのではないでしょうか。これまで毒素を自然に凌駕してきたフィジカルな活力が、ひとつのピークを過ぎて、その免疫効果を徐々に失っていったのでしょう。
彼らの創作エネルギーが減退していることは、誰の目にも明らかでありました。そうなると、従来のような主体的創造を続けていくことが難しくなります。想像力とそれを支える肉体のバランスが崩れてしまったのです。

村上氏はそういう「やつれ方」を避けるために基礎体力が不可欠であるといいます。村上氏の考える文学とは、自発的で求心的なものであります。村上氏にとって小説を書くのは長く激しい戦いの末、頂上にたどり着く作業です。
よって、小説家の村上氏にとって、「基礎体力」を獲得し、維持し続けることが必要不可欠なのです。

 

村上春樹が示す継続することのコツ

村上氏は小説執筆の傍ら、マラソンに打ち込み続けてきました。彼にとって走ることと生活は密接に関係しています。
彼が走り始めたのは30歳、経営していたジャズ喫茶を畳み、専業小説家になったときであります。私を村上ワールドに誘った「風の歌を聴け」がちょうど群像新人文学賞を受賞したころです。

これから長い人生を小説家として送っていくことを決めた彼は体力を維持しつつ、体重を適正に保つために走り始めました。
その時から彼は週に60㎞、一か月で260㎞走ることを続けています。何年もの間、上記の距離を走り続けることは並大抵のことではありません。
彼が走り続けてこれたのは彼の考え方に起因していると私は考えます。以下本書籍で村上氏が語った言葉です。

「もし忙しいからというだけで走るのをやめたら、間違いなく一生走れなくなってしまう。走り続けるための理由はほんの少ししかないけれど、走るのをやめるための理由なら大型トラックいっぱいぶんはあるからだ。僕らにできるのは、その『ほんの少しの理由』をひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ。」

この言葉に私はいたく共感しました。練習やトレーニングに気が向かない時は数えきれないほどありますよね。
かのオリンピックランナーの瀬古利彦さんも現役時代、「今日はなんか走りたくないな」という日はしょっちゅうあったと言います。
アスリートですらトレーニングに気分が乗らない日があるのですから、私たちがそう思うことは当たり前なのです。
しかし、私たちはトレーニングをしなければならない理由を何かしら持っているはずです。その理由を決して忘れず、モチベーションの原動力にし続けなければならないのです。

 

まとめ

以上で村上氏の小説および生活に「走ること」がいかに関係していたかを述べました。
小説家は一見体力とは無縁に見える職業ですよね。しかし、村上氏は驚くほどの基礎体力をその継続力によって身に着けてきました。
その「基礎体力」「継続力」があるからこそ、文学界の最前線で今もなお走り続ける「村上春樹」なのだと思います。
皆さんも仕事などでお疲れのことも多々あるかと思います。そんなときには、運動するべき『ほんの少しの理由』を思い出し、それを丁寧に磨き続けていただきたいと思います。
さすれば、仕事および生活に必要不可欠な基礎体力を獲得していくことができると私は考えています。
そして、それらの力は皆さんの人生をより良い方向にきっと導いてくれると私は信じてやみません。

長くなりましたが、私は今月をもってリフィナスを卒業いたします。2年半の間本当に様々な方にお世話になりました。

この経験を社会人になっても忘れることなく、昇進してまいります。
本当にありがとうございました。

 

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